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【劇団ペテカン】柳家喬太郎の新作落語を舞台化!『ハンバーグができるまで』ができるまで

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喬太郎特集でペテカンをご指名!


ーー舞台化のきっかけを教えてください。

雑誌「悲劇喜劇」(2017年1月号)の柳家喬太郎特集の中で「ハンバーグができるまで」の話があって、「この作品、お芝居にならないかなぁ。具体的にラッパ屋さんとかペテカンとかがやってくれると嬉しいんだけどな」って仰っていたんですよ!

僕はそれを見て「こんな風に言ってくれてるんだったら、やるしかないでしょ。ペテカンって書いてあるし。」と思って、ある意味本気にしちゃって。

それで喬太郎師匠にちらっと言ったら「是非、舞台化してください!」って言ってくださって、それが今回の舞台化のきっかけですね。

脚本は喬太郎師匠へのラブレター


ーー師匠と初めて会った時の印象を教えてください。

師匠と初めてお会いしたのは 2017年公開の映画『スプリング、ハズ、カム』で脚本を担当させて頂いたのがきっかけだったんです。

監督とキャスティングを話し合う中で「主役のお父さん役を喬太郎師匠にお願いしたい」という話があって、でも面識もない、ましてやこの役を引き受けてくださるかもわからない中で、まるで師匠にあてたラブレターを書いている感じで脚本が出来て (笑)
出演OKも頂けました。

実際お会いするにあたって「喬太郎師匠はどういう方なんだろう。怖かったらどうしよう」って思っていたんですけれど、全くそんな事なく、すごく腰が低くて物腰がやわらかい方で、高座の時に発する毒っけとかは、普段は全くなくて、とても素敵な方だなぁっていうのが第一印象でしたね。

おや?これ大変かも!?


ーー今回の脚本で苦労した点はありますか?

原作ありきでの脚本制作というのが初めてで「すごく楽しみ、うれしいな。」って思ってたんです。

でも改めて「ハンバーグができるまで」を聞いたら25分くらいしかない。

これを2時間くらいにするのかという時に、商店街で抱えている問題と、マモルとサトミの関係をリンクしていきながら原作の内容につながっていくといいなぁと思いながら、あらすじを頭の中で思い描いていきました。

先生!座ってお茶飲んで行きなよ!


ーー商店街の話を描く上で下調べなどはしましたか?

元々おやじとおふくろが(宮崎の)延岡で雑貨屋をやっていて小さい時から商店街がそばにあったので、イメージはわきやすかったですね。

東京の商店街も見ておかないとと思いポスターとチラシを撮影した神谷銀座商店街に行き、実際に歩いてみたんです。

そしたら、そこで会ったおいちゃん、おばちゃん達が!
まるで落語に出てくる「あの」おいちゃんおばちゃんたちのようで… (笑)

僕がチラシを持って撮影した付近で立っていると

漬物屋のおばちゃん
どうしたんだい!?


チラシを指差しながら

本田誠人
あーいや実は、この舞台の脚本と演出をする者で…。
漬物屋のおばちゃん
あっそうなのかい。じゃーちょっと待ってなよ。お父ちゃん!お父ちゃん!


奥からお父ちゃん登場!

おばちゃんの旦那
なんだいっ、なんだいっ
漬物屋のおばちゃん
この間ここに撮影しに来てた、脚本だか演出だかする人なんだって!
おばちゃんの旦那
はー。先生!! 座っていきなよ。
本田誠人
いや…先生、ではないんですけれど…(笑)
漬物屋のおばちゃん
お茶飲んでいきなよ!
本田誠人
いえいえ、おかまいなく。


こちらの返事を待たずして、ポットに用意してあるお茶が出てくるんです。
で、お父さんとしゃべっていたら
横から

漬物屋のおばちゃん
はいっ!


更に漬物を出してくれるんですよ。

本田誠人
あー、ありがとうございます

で、食べてみるとこれがまた美味しくて!

こういうパワフルなおいちゃんおばちゃん達がいる、人情味あふれる商店街ってまだあるんだな、って。

本人達は全然そんな気ないんだけどおせっかいをするのが、やってあたりまというか・・・そんな人達の町の風土やこの空気感をちゃんと描きたいな、とすごく感じましたね。

こうきたかー!!


ーー今回の見所を教えてください。

落語というのは、究極の話芸だと思うんです。

喬太郎師匠の高座やお芝居を見ていて、表現力という点ではどうやっても役者ってかなわないなって感じる瞬間があって、一人で何役もやったり、感情を切り替えて演じるのって、相当の表現力が無いと出来ないものなんですよね。

今でこそ落語ブームで若い子達も落語行ったりしていますけれど、どこかで敷居が高いイメージがあったりすると思うんですよ。もっと気軽に演劇に触れて欲しいって、劇団を旗揚げした頃からずっと思っていて、その為にも我々はやり続けるしかないなって。
25年かけて少しづつ大きい劇場でやらして頂けるようになり、やっとここまできたのかなって実感しています。

特に今回は、喬太郎師匠、渋川さん、馬渕さん、小劇場の方…、あ、あと宮崎から、本業が役者ではなく、みかん農家の方が出演するんですけど、この方、すごい魅力的で東京の年配のベテランの役者さんには持っていないものをお持ちなんですよ!

落語家のすごさ、役者のすごさ、宮崎から来たみかん農家のおっちゃんのすごさ、本当に色んな表現人種がいっぱい集まっているので、今回の作品をみて、寄席に足を運ぶ、演劇を観に行く、そんな次の一歩に踏み出して頂ける作品になるといいなぁと思っています。


ーー配役が気になる所ですが、それは公演をみてのお楽しみなんですよね?

脚本のアレンジに関しては師匠から自由にしていいよって言われていたんで、それぞれの配役もパズルを組み合わせるような感じで考えていったんですけど…。

出来上がった脚本を見て師匠は「あ、この役なんだ」って思ったと思いますよ(笑)

公演まで公開しないので、配役が書いてあるパンフレットの販売も途中休憩からにするんです。観ている皆さんにも「こうきたかー」って思ってもらえると嬉しいですね。

僕の思う壷ってことで

ーー観に来てくださるお客様にメッセージをお願いします。

劇場の空間をみんなで共有する事、その回その回演者のテンションや空気感も違うんで、その生ものの魅力を体感してほしい、その為にやっている所がありますね。

一番僕が目指しているのが「笑いながら泣いている。泣きながら笑っている。」
その相反する感情が泣いているんだけれど「ばかだなぁ」笑っているんだけれど「あれ?なんでうるっときているの」

泣きだけの感情じゃなくて、いろんな気持ちが混ざり合いながら見て頂けたら嬉しいです。

そうなったら、それは「僕の思う壷」ってことです(笑)

おせっかい大放出

どんなおせっかいな商店街の面々が飛び出すのか、また一番気になる師匠の役どころなど見所満載の今回の公演。

喬太郎師匠のハンバーグに本田さんがどんなスパイスを効かせてくれるのか、

その味を是非ご賞味あれ!


舞台『ハンバーグができるまで』

2019年3月20日(水)〜24日(日)
[全8公演]

会場:博品館劇場(東京都中央区銀座8-8-11)

公式サイト:www.HBDM.jp


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なお

なお

着物に茶道に華道と経験できる環境にあり学んできました。
現在でも月に1回、一緒に学んだ皆さんと着付けの練習会を行なっています。
自分の練習ということだけでなく、
他の方の着方を見て勉強になることもあって楽しいです。
本当は、おしゃべりしながら気軽に練習できることが楽しいのかも。笑
実際に着物を着て観劇に行ったり町歩きも好きですが、お祭りも好きです!
きらびやかな衣装に、雄大な神輿。こころ躍るものがありますね。
近年、楽しいイベントとして開催されている感じでもありますが、
本来の目的や由来も織り交ぜて伝えていくのも楽しいかな。

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