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皇居から京都へ 新たな世の始まりをことほぐ 御即位記念 特別展『皇室の名宝』開催[京都国立博物館]

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皇室につどう書画 三の丸尚蔵館の名宝

筆跡のもつ力

書は人なり、とも言われるように、日本では書き文字の美しさが尊ばれます。今も私たちが学ぶ、楷書、行書、草書などの書法を美しく完成させ「書聖(しょせい)」と仰がれたのが王羲之(おうぎし)。

王羲之の書は、かつては正倉院にも所蔵され、三筆や三蹟と称される日本の能書たちの手本となりました。


恩命帖(部分) 藤原佐理筆


恩命帖(部分) 藤原佐理筆 平安時代・10世紀、宮内庁三の丸尚蔵館、紙本墨書、1巻、32.1×146.3cm


喪乱帖 王羲之(搨本)


喪乱帖 王羲之(搨本) 唐時代・7世紀、宮内庁三の丸尚蔵館、紙本墨書、1幅、26.2×58.4cm


絵と紡ぐ物語

詞と絵が交互にあらわれ、巻物をひもとく先にイメージ豊かに物語が展開していく絵巻。

教科書でもおなじみ、元寇のありさまを描く《蒙古襲来絵詞》、二十巻すべてが欠けることなく伝世し、絵師の名も詞書の筆者も判明する《春日権現験記絵》は、鎌倉時代の歴史や美術を語る逸品として知られています。


春日権現験記絵 巻一(部分)


春日権現験記絵 巻一(部分) 高階隆兼筆 鎌倉時代、延慶2年(1309)、宮内庁三の丸尚蔵館、絹本著色、20巻のうち、41.7×981.5cm


蒙古襲来絵詞 後巻(部分)


蒙古襲来絵詞 後巻(部分) 鎌倉時代・13世紀、宮内庁三の丸尚蔵館、紙本著色、2巻のうち、35.5~39.8×2013.4cm


近世絵画 百花繚乱

桃山から江戸時・代には、個性豊かな絵師が綺羅星のごとく登場しました。

製作当初から宮中や宮家で鑑賞されてきた皇室ゆかりの品々だけでなく、明治時代以降、かつての公家、門跡寺院、大名家などから、皇室にこそふさわしいとして献上された近世絵画は、まさに百花繚乱のきらびやかさです。


扇面散屏風 右隻(部分)


扇面散屏風 右隻(部分) 俵屋宗達筆 江戸時代・17世紀、宮内庁三の丸尚蔵館、紙本著色、8曲1双のうち、111.8×376.0cm


旭日鳳凰図 伊藤若冲筆


旭日鳳凰図 伊藤若冲筆 江戸時代、宝暦5年(1755)、宮内庁三の丸尚蔵館、絹本著色、1幅、185.5×113.8cm
11月3日~11月23日展示


御所めぐる色とかたち

即位の風景

江戸時代、京都御所での即位礼はどのように執り行われていたのか、それを教えてくれるのが《霊元天皇即位図屏風》です。

紫宸殿内の高御座の中には、金属と玉に飾られた晃冠をかぶり、鮮やかな赤い装束に身を包む天皇の姿が描かれています。近代に大きな変貌を遂げ、現代では見ることのかなわない京都御所での即位の風景を、絵画や装束を通してよみがえらせます。


霊元天皇即位図屏風(部分)狩野永納筆


霊元天皇即位図屏風(部分)狩野永納筆 江戸時代・17世紀、京都国立博物館、紙本著色、6曲1双のうち、96.0×270.8cm
11月3日~11月23日展示


五衣唐衣裳装束のうち檜扇と唐衣・表着 東福門院御料



五衣唐衣裳装束のうち檜扇と唐衣・表着 東福門院御料 江戸時代・17世紀、京都・霊鑑寺 1具のうち、唐衣:前丈84.5/裄62.5、表着:丈205.0/裄74.5、檜扇:長44.5cm


漢に学び和をうみだす

江戸時代までの日本では、中国に代表される漢の文物に学び、そこに自らの風土に根ざした美意識を加え、豊かな和の文化が創造されてきました。

漢字から万葉仮名へ、そしてかな文字へと深化していく和漢の交わりを、『万葉集』や『和漢朗詠集』などの美麗な古筆の名品を中心にたどります。


雲紙本和漢朗詠集 巻上(部分)伝藤原行成筆


雲紙本和漢朗詠集 巻上(部分)伝藤原行成筆 平安時代・11世紀、宮内庁三の丸尚蔵館、彩箋墨書、2巻のうち、27.0×1418.3cm


屏風土代(部分)小野道風筆


屏風土代(部分)小野道風筆 平安時代・10世紀、宮内庁三の丸尚蔵館、紙本墨書、1巻、24.4×498.7cm


天皇の姿と風雅

歴史の波に翻弄され、天皇の立場は時々に変化しました。

「学問」と総称される、典籍の学習、書道や歌道、さらには楽器の演奏に研鑽を積み、風雅の天子として日本文化を牽引しようとする姿勢は、いつの時代も変わることはありませんでした。


天子摂関御影 天子巻(部分) 藤原為信・豪信筆


天子摂関御影 天子巻(部分) 藤原為信・豪信筆 鎌倉~南北朝時代・14世紀、宮内庁三の丸尚蔵館、紙本著色、4巻のうち1巻、29.2×535.3cm
10月10日~11月1日展示


重要文化財 熊野懐紙 後鳥羽天皇宸翰


重要文化財 熊野懐紙 後鳥羽天皇宸翰 鎌倉時代・13世紀、京都国立博物館、紙本墨書、1幅、31.6×47.0cm
11月3日~11月23日展示


王朝物語の舞台

平安時代の宮廷で花開いた王朝文学を代表する作品として知られる『源氏物語』。主人公・光源氏の憧れの女君が暮らす「藤壺」は、御所の後宮の中でも中宮や有力な女御が住まう飛香舎の別名です。

かつて清涼殿の北西に位置していた飛香舎は、後には立后などの儀式を行う後宮の中心的な殿舎となりました。


松喰鶴蒔絵螺鈿二階厨子飾り 飛香舎調度のうち


松喰鶴蒔絵螺鈿二階厨子飾り 飛香舎調度のうち 江戸時代・19世紀、東京国立博物館、木製漆塗蒔絵螺鈿、1式のうち、二階厨子:高61.2×幅87.6cm


飛香舎襖


飛香舎襖 江戸時代・19世紀、宮内庁京都事務所、紙本著色、12面のうち、各184.0×141.0cm



御即位記念 特別展 皇室の名宝

2020年10月10日(土)~11月23日(月・祝)
※会期中、一部の作品は展示替えを行います

[休館日] 月曜日 ※ただし、11月23日(月・祝)は開館
[会場] 京都国立博物館 平成知新館【東山七条】(〒605-0931 京都市東山区茶屋町527)
[主催] 京都国立博物館、宮内庁、読売新聞社、NHK京都放送局、NHKエンタープライズ近畿
[協賛] 岩谷産業、きんでん、清水建設、大和ハウス工業、パナソニック、非破壊検査

※会期等は今後の諸事情により変更する場合があります。

[公式サイト] https://meiho2020.jp/


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