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【梅酒】リラックス効果に代謝アップ!? 梅酒の効能を知る。種類に作り方を紹介

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梅酒の歴史


出展:国立国会図書館デジタルコレクション

梅酒のレシピが初めて文献に登場したのは江戸時代です。1697(元禄10)年に「本朝食鑑」という本が刊行され、梅酒の作り方が載っています。

このため、刊行前から梅酒の飲用習慣があったと考えられますが、正確な時期やルーツはなどは分かっていません。

一般家庭で梅酒が作られるようになったのは江戸時代後期のことです。

それまでは、梅酒作りに欠かせない砂糖が希少だったため、なかなか一般家庭で作られることはありませんでしたが、江戸時代中頃から砂糖の精製技術が発達し普及しました。

また、梅の保存性の高さや薬効にも注目が集まり、梅の加工技術が進みます。さらに、政府が農家に梅の栽培や加工販売を推奨したこともあり、梅酒作りは広く浸透していったようです。

1940年になると、酒税法が制定され、一般家庭での梅酒作りは禁止されました。しかし、1962年に酒税法が改正され再び一般家庭での梅酒作りが解禁され、現在に至ります。

元々日本に持ち込まれた梅の種類は少なかったようですが、品種改良などを重ね、現在は300種以上の梅が国内に生育しています。

その内、約100種類が梅酒作りに利用されているといわれており、梅酒への関心の高さが現れています。


梅酒の効果・効能

梅酒にはさまざまな効果や効能があることが分かっています。代表的なものを見ていきましょう。

疲労回復

梅に含まれるクエン酸は体内のクエン酸回路を活性化します。

活性化すると、体内でエネルギーが効率よく作られ、肉体疲労を緩和すると考えれています。さらに、梅にはポリフェノールも含有しており、抗酸化作用も期待できます。また、梅の爽やかな香りは気分転換や頭をすっきりさせたい時に良いといわれています。

このように、梅を加工した梅酒は、肉体的・精神的疲労を軽減する効果があります。


血行促進

梅酒には血行促進作用があります。

この作用をもたらすのは、ベースのアルコールです。適度なアルコールは体を温め、冷えやすい手先や足先の冷えを和らげてくれます。

特に、日本酒は体を温める作用が強いといわれているため、冷え性が気になる人には、日本酒ベースの梅酒が人気です。


食欲増進

梅酒の酸味はだ液の分泌を促し、食欲を増進させます。

このため、食欲が落ちやすい夏には特におすすめです。また、だ液が多く分泌されると、口の中が清潔に保たれ口臭や虫歯予防の効果も期待できます。

さらに、梅は昔から優れた整腸作用でも知られており、冷たいもののとりすぎや冷房などで胃腸の調子を崩しやすい夏には、適量の梅酒がおすすめです。


安眠効果

適度な量の梅酒には安眠効果があります。

アルコールが体を温め、程よい眠気を誘います。また、梅の甘い香りは精神的ストレスを緩和する働きがあるといわれています。このように、アルコールと梅の香りとの相乗効果で安眠効果が期待できます。

ただし、アルコールは飲みすぎると眠りが浅くなるため、くれぐれも飲みすぎには注意しましょう。


梅酒の種類と特徴


多くの梅酒はホワイトリカーがベースですが、近年はそれ以外のベースの梅酒も数多くあります。家庭でも取り入れやすいベースをご紹介します。

ホワイトリカー

ホワイトリカーは焼酎の一種です。

焼酎には、おおまかに連続式蒸溜で造られ、基本的に無味無臭の「甲類焼酎」と、単式蒸溜で造られ、味わい風味を楽しむ「乙類焼酎」に分けられます。

ホワイトリカーは、「甲類焼酎」であり、梅の香りや味を最大限引き出す焼酎です。さらに、梅酒を漬け込む際の砂糖の甘さも適度に感じられる仕上がりとなります。ストレート、ロック、ソーダ割りなど様々な飲み方でも合うのが特徴で、お酒が苦手な人にも好まれやすいです。

また、好みによって乙類焼酎(本格焼酎)を使って焼酎の味わいを含む梅酒を楽しむことができます。


ブランデー

ブランデーで作った梅酒は甘く濃厚な香りと味が特徴です。

甘いのはブランデーそのものに甘味があること、ホワイトリカーより多めの砂糖で梅酒を作ることが多いためです。また、ブランデーは香りが強いのが特徴ですが、梅を漬け込むことで、香りがより深くなります。

さらに、梅を漬けるとブランデーのわずかな苦味がまろやかになり、濃厚さを残しつつも飲みやすくなります。

豊かな香りと味を楽しむため、ロックで飲むのがおすすめです。


日本酒

日本酒ベースの梅酒はホワイトリカーやブランデーベースの梅酒よりまろやかで飲みやすいのが特徴です。

日本酒本来の甘さがあるため、砂糖の量を控えて梅酒を作る場合が多く、すっきりした味わいのものが多いです。また、日本酒の華やかな香りは梅を漬けることにより、一層華やかになります。

日本酒ベースの梅酒は人気が年々高まっており、一般家庭だけではなく各酒造メーカーも次々と販売しています。


梅酒を作る時期と期間

梅酒作りに最適なのは、青梅が出回る5月〜6月です。

6月になると完熟した黄色い梅も出回り、青梅よりフルーティーな仕上がりの梅酒を作ることができますが、難易度は高いです。

熟成期間は、ベースにより異なります。

最も早く出来上がるのは、ブランデーで作ったもので、3ヶ月後頃から飲めます。他のベースでも3ヶ月後から飲めますが、美味しくなるのは6ヶ月〜1年熟成させたものです。

熟成期間中にも味わいが変わるため、変化を楽しむのもおすすめです。


梅酒の作り方

[材料]

  • 青梅1kg
  • 氷砂糖600g前後(梅の60~70%が目安)
  • ホワイトリカー1.8リットル
  • 密閉できる保存瓶(上記の分量なら3リットルの保存瓶がおすすめ)


[1]保存瓶の消毒を行う

カビや雑菌の発生を防ぐため、事前に保存瓶の消毒をします。

可能であれば煮沸消毒、難しいようであれば食品消毒用のアルコールを内部に吹き付けましょう。もしくは、清潔なキッチンペーパーにホワイトリカーを染み込ませ、内側をしっかりと拭きます。


[2]青梅のアク抜きをする

青梅をたっぷりの水に浸けて、2〜4時間置き、アク抜きをします。


[3]梅のヘタを取る

梅のヘタやヘタの中のゴミを竹串などで取り除きます。

梅を傷付けないように注意しましょう。


[4]梅の水気をしっかりと切る

梅を1つずつ布巾で拭き、水気を切ります。時間があれば、1時間以上天日干しをしましょう。

その場合は、途中で上下をひっくり返して、しっかりと梅を乾かしましょう。


[5]材料を瓶へ入れる

梅と氷砂糖を交互に入れ、最後にホワイトリカーを注ぎます。


[6]冷暗所で保存

冷暗所に保存し、時々瓶を静かにゆすって熟成させます。


梅酒作りで注意すること

梅酒作りの成功のポイントは、傷のない新鮮な青梅を使用しましょう。完熟した黄色い梅でも作れますが、痛みやすいため初心者は青梅が無難です。

梅酒作りのベースは、必ず20度以上のアルコールを使うようにしましょう。一般家庭でそれ以下の度数のもので作ると酒税法違反になります。

度数が高いベースを使っておくと腐敗の危険が少なく、品質管理しやすいとメリットがあります。

熟成は、冷暗所で行いましょう。腐敗を気にして熟成中の梅酒を冷蔵庫へ入れた方が良いのでは?と迷う方がいるかもしれませんが、熟成には温度変化が重要です。冷暗所で保存してください。


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まとめ

美味しいだけじゃなくさまざまな効能がある梅酒は魅力的なお酒です。疲れた時などには適量の梅酒でリラックスした時を過ごしたいですね。

自分好みの梅酒を見つけるも良いですし、自分だけの梅酒作りに挑戦してみてください。


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ゆずこ

ゆずこ

大学時代に出会った友人の影響で、お寺巡りや仏教に興味を持ちました。それがきっかけで、日本人の思想や日本文化全体に興味を持つようになりました。

日本の建築物や着物、独自の色づかい、和食や和菓子、本当に繊細で美しいものばかりだと思います。そんな日本文化の魅力をお伝えし、皆さんと一緒に楽しめたらなと思っています。

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