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【落語】落語のはじまりって?前座に二ツ目、真打ちとある落語家の階級制度を解説!

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落語のはじまり

落語といえば「江戸時代からはじまったのでは?」と思われる方が多いかもしれませんが、実は、戦国時代からはじまっているのです。

とはいっても、この頃には、今日に繋がる落語家のような人が居たわけではありません。

戦国時代には、武田信玄、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった戦国大名が、世間の見聞を広めて教養を高める為などに、語りが上手な御伽衆おとぎしゅうと呼ばれる人々を抱えていました。

御伽衆には、武芸者や学者、僧侶、茶人などの多様な人々がおり、サゲやオチと言われる気の利いた結末がついた「小咄こばなし」をして、戦国大名に重宝されていました。

しかし、御伽衆の話題とするところは、武将の逸話などが主でした。

そのため「落語の祖」とされるのは御伽衆ではなく、その後の安土桃山時代に現れた安楽庵策伝あんらくあんさくでんという浄土宗の僧侶です。

この安楽庵策伝が書いた『醒睡笑せいすいしょう』という笑話本には、前座噺として現在も高座にかけられる『平林』の原型や、『牛ほめ』『かぼちゃ屋』『子ほめ』『寝床』の原型と見られるものが多く含まれています。

また策伝自身「希世の咄上手」ともされており、自らこれらの笑話を人前で演じて、高評を得ていました。

さらに、自ら演じた笑話を初めて集大成にして、後世に残したので「落語の初祖」と呼ばれており、これが落語のはじまりと言われています。


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落語家の階級

幕末から寄席が専業化し常時興行をするようになると色々なしきたりが生まれ、ここから落語家の階級制度がはじまりました。

現在、江戸と上方を合わせて900人近い落語家が居ますが、この落語家は芸歴や技能に応じて、「前座見習い、前座、二ツ目、真打ち」と、それぞれの階級に分けられ、昇進するシステムとなっています。
最終的に真打ちになると、落語家として一人前です。

ちなみに、このような厳密に分けられた階級制度は東京の落語界の場合であり、上方落語と呼ばれる関西の落語界では特に階級制度はありません。そのため「襲名をもって一人前になる」というような意味合いを持つこともあります。

それぞれの階級については、下記で詳しく説明します。

前座見習い

師匠に入門することができ、弟子入りが叶うと、前座見習いから始まります。

前座見習いは、師匠の行き帰りのかばん持ちや身の回りのお手伝いに加え、着物のたたみ方や太鼓の叩き方など、寄席の基本を教わります。また、師匠や落語協会によって異なりますが、前座見習いは寄席の楽屋へは入ることが出来ません。

入門すると、寄席では師匠の落語を正面から聴くことはご法度であり、舞台袖から勉強させてもらう立場となります。

入門して半年から1年ほどは、前座見習いとして修行を行い、落語家になるための基礎を勉強します。

前座

前座は、師匠から高座へ上がれる許可が下りると、寄席の番組(プログラム)で一番最初に高座へ上がる事が出来ます。また、師匠の独演会などでも前座を務めるようになります。

前座の仕事は、前座見習いの仕事に加え、ネタ帳にその日のネタ(演目)を書き留めたり、師匠の着替えを手伝い、お茶を出すなどの楽屋での仕事もします。

前座としては、2年から5年ほど活動していきます。

二ツ目

二ツ目は、寄席の番組(プログラム)で二番目に高座へ上がる事が出来ます。また、独り立ちの第一歩として、自分の落語会を開くことも出来るようになり活動の幅が広がります。

高座では、紋付を着て、羽織や袴も着けられるようになります。

多くの落語家は、5年から10年ほど二ツ目として活動していきます。

真打ち

真打ちは落語家として一人前であり、寄席では最後に出演する「主任(トリ)」を務めたり、弟子を取ることができます。また、入門してきた弟子に落語の稽古をつけるほか、礼儀作法を教えたりします。

弟子の名前をつけることも行い、師匠によっては弟子にお小遣いをあげることもあります。

真打ちになるには、入門してから大体15年前後かかるといわれています。


まとめ

落語の歴史と階級について説明してきましたが、いかがでしたか?

戦国時代から咄上手の人達が居て、安土桃山時代の笑話が現在にまで語り継がれていることは、とても素晴らしい日本の文化だと思います。

階級制度は、師弟関係のある「落語」だからこそ生まれた制度ではないでしょうか。時代は変わっても、人と人との繋がりは変わらないでいたいですね。


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ライター紹介 ライター一覧

あやふみ亭

あやふみ亭

小中学生のときに見た『タイガー&ドラゴン』をきっかけに、落語を聴き始めました。
失敗談を笑えて、人情味が溢れている落語が大好きです。

月に3〜5回ほど、寄席へ足を運んでいます。
また、ラジオを聴くことも大好きです。
「自らのやじ馬の目で見て、耳で聞いた面白いこと」を書いて、
読んだ人が、日本文化への興味関心を示す、
窓口になれば良いなぁと思っています。


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