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【出汁】だしの種類と特徴を知って使い分けよう!作り方から保存方法まで

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出汁の種類

かつお


かつおを煮ていぶし、乾燥させたかつお節で取ったものがかつお出汁です。

主な、うま味成分はイノシン酸で、製造の煮熟の段階で作られます。この成分は、生のかつおの10倍にもなると言われています。

1ヶ月乾燥させたものを荒節、カビをつけ2ヶ月ほど乾燥にかかるものを枯節と呼び、荒節を削ったものをかつお削り節、枯節を削ったものをかつお枯節削り節と呼びます。

一般的にかつお枯節削り節の方が高価です。

他にも、厚く削ったかつお節の厚削り、細かく削ったは糸削りなどがあります。

香り豊かなで味がしっかりしているため、出汁が主役の料理に合い、おひたし、煮物、おでん、そばつゆ、うどんつゆなどにおすすめです。

昆布


昆布は江戸時代、北海道から琵琶湖の水運を利用して京都へ渡りました。そこから京都中心に近畿地方、日本海沿岸部に昆布出汁が根付いていったと言われています。

昆布出汁のうまみ成分はグルタミン酸と呼ばれるものです。

この成分は、他のうま味を調和し、増幅させるといった特徴を持ち、食材と出汁の味を結びつけまとめる役割も担います。

出汁となる昆布の有名なものは、利尻昆布、日高昆布、羅臼昆布などがあり、産地によって昆布の名称が違いす。

昆布出汁は素材の味も邪魔せず、美味しさを引き出すため、料理を選びません。

スッキリとした味わいになるため、お吸い物、湯豆腐、野菜の煮物、炊き込みご飯など他の素材の味を生かす料理におすすめです。

かつお昆布

かつおと昆布で取った出汁が、かつお昆布出汁です。

かつおと昆布のうま味を取り出した一番だし、一番だしを取ったあとのかつお節と昆布にかつお節を足して残りのうま味を引き出したものを二番だしと呼びます。

うま味成分であるグルタミン酸とイノシン酸が調和し、上品な味わいとなり、日本料理でよく使われる出汁は一番だしになります。よく合う料理は、おひたしや煮びたし、かきたま汁、出汁巻き卵、茶碗蒸しなどです。

二番出汁は雑味が多いため、魚や肉を使った煮物、天だし、そばだしなどがよく合います。

また、一番だしと二番だしを同量合わせた出汁もおいしく、うどんの出汁や親子丼、茶碗蒸し、あんかけ、雑炊などに向いています。

煮干し


煮干しは魚を煮て乾燥させたもので、原料となるのは小魚で、地方によっては「いりこ」や「じゃこ」などと呼ばれます。

最も有名な原料の魚はカタクチイワシですが、その他にもあごやひらご、あじごなどを乾燥させて作られ、かつおや昆布が庶民にとって高価だった昔は、日本の出汁の中心は煮干しでした。

煮干しのうま味成分はかつお節と同じイノシン酸です。

魚の味がしっかりと出るため、淡白な味の食材によく合い、こんにゃくや野菜、切り干し大根やひじきなどの煮物におすすめです。またお味噌汁やうどんやラーメンの出汁にもよく使われています。

椎茸


椎茸を干しよく乾燥させて作る干し椎茸を煮出して作るのが椎茸出汁です。

今となっては身近な食材の椎茸でしたが、栽培が始まったのは江戸時代で、それまでは武士や貴族、僧侶などの特権階級のみが使用できるものでした。

干し椎茸のうま味成分は、グアニル酸で、椎茸を干すことにより、生の椎茸の10倍にもなると言われています。グアニル酸は、骨粗しょう症や、生活習慣病、アンチエイジングに有効な成分として注目を集めています。

椎茸出汁は元々は精進料理に使われていた出汁のため、大豆や根菜を使った料理によく合い、例えば、卯の花や筑前煮、煮しめ、八宝菜などによく使われています。またちらし寿司やめんつゆにも適しています。


出汁の作り方(取り方)


かつお

[1]
かつお出汁を取るには、まず水1リットルに対して40グラムの削り節を用意します。

[2]
鍋に水を入れて中火にかけます。

[3]
鍋から小さな気泡がふつふつと出てきた時点で、かつお節を入れます。

[4]
かつお節を入れた後はすぐに火を止め、2~3分そのままにしておきます。
注)ふつふつとした気泡が出る時の水温は約85℃ですが、これ以上の温度でかつお節を入れるとかつおの臭みが出るため、温度には気を付けましょう。

[5]
ペーパータオルを敷いたざるでかつお節をこします。

[6]
ペーパータオルを軽くねじり、菜箸などで押さえて、出汁を軽く搾り取り完成です。

昆布

昆布は水出し方法と煮出し方法があります。

【水で出す場合】

[1]
1リットルあたり40グラムの昆布を用意します。

[2]
ボウルなどに水を入れます。

[3]
昆布を軽くふき、水を入れたボールに入れ、一晩置きます。

[4]
一晩置き、水がわずかに色づく程度になっていると完成です。

【煮出す場合】
煮出し方法は、その水出し出汁と出汁を取った昆布を使用して作ります。

[1]
出汁と昆布を鍋に入れ、弱火にかけます。

[2]
昆布の縁から小さな気泡が出てきたら火を止め、昆布を取り出し完成です。
注)火を止めるタイミングを誤ると、雑味が出てしまうため、注意しましょう。

かつお昆布

【一番だし】

[1]
一番だしを取る場合は、まず水1リットルに対して昆布20グラム、削り節20グラムを準備します。

[2]
昆布をまず水につけ、一晩置きます。

[3]
昆布と浸けておいた水を鍋に移し、弱火にかけます。

[4]
昆布の縁から小さな気泡が出てきたら昆布を取り出します。

[5]
火を中火に強め、鍋底から気泡が出始めたらかつお節を入れ、火を止めます。

[6]
2~3分待ち、濾してから完成です。

【二番だし】

[1]
鍋に1リットルの水と一番だしを取った出汁がらを入れ中火にかけます。

[2]
沸騰直前まで温度が上がった時点で、5グラムの削り節を入れ、火を止めます。

[3]
2分程度置き、濾してから完成です。

煮干し

煮干しで出汁を取る場合、水出し方法と煮出し方法があります。

【水で出す場合】

[1]
水1リットルに対して煮干しを40グラム用意します。

[2]
煮干しの頭とはらわたを取り除きます。

[3]
その煮干し3分程度を空煎りします。

[4]
ボウルに水を入れ、空煎りした煮干しを入れ一晩置き、完成です。

【煮出す場合】
水出し出汁と、出汁がらの煮干しを煮出す方法です。

[1]
水出し出汁と煮干しを火にかけ、3分程度煮出します。
注)アクはしっかりと取りましょう。

[2]
ザルで濾してから完成です。

椎茸

椎茸出汁を取るには、水200ミリリットルに対して、干し椎茸を4枚用意します。

【水で出す場合】

[1]
干し椎茸をさっと水の中で洗います。

[2]
分量の水と洗った干し椎茸をボウルに入れ、椎茸が浮かばないようにラップなどで落し蓋をします。

[3]
冷蔵庫で一晩から1日時間を置き、完成です。

【煮出す場合】

[1]
水だしの出汁と椎茸を鍋に入れ、200ミリリットルの水を足し中火にかけます。

[2]
椎茸から気泡が出るようになったら火を止め、椎茸を取り除き完成です。


出汁の保存方法

出汁の保存方法は、冷蔵庫で保存する方法冷凍庫で保存する方法があります。

【冷蔵庫で保存】
2日程度で出汁を使いきるようにしましょう。

作った出汁をよく冷まし、ピッチャーなどに入れ冷蔵庫に入れておきましょう。または、水出しできる出汁は、はじめから冷蔵庫に入れ水出しするのもおすすめです。

【冷凍庫で保存】
冷凍庫で保存する場合は、冷蔵庫よりも長期間の保存が可能です。

フリーザーパックや製氷器などに冷ました出汁を入れて保存しましょう。ただし、長期間といっても3週間程度で使い切るのがおすすめです。それ以上となると冷凍庫内部の臭いを吸い取り、風味がかなり落ちてしまいます。

また、始めから冷凍保存を考えて、出汁を取る際、通常の量の2~3倍の出汁素材を使い出汁を濃い目に取っておくのがおすすめです。そうすることで、うま味がキープできます。


まとめ

かつお、昆布、かつお昆布、煮干し、椎茸の出汁の特徴や取り方についてご紹介しました。

出汁は水出しで取れるものや短時間で取れるものが多く、意外と簡単だと思われた方も多いのではないでしょうか?

ぜひ出汁を手作りし、色々な料理に挑戦してみてくださいね。


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ゆずこ

ゆずこ

大学時代に出会った友人の影響で、お寺巡りや仏教に興味を持ちました。それがきっかけで、日本人の思想や日本文化全体に興味を持つようになりました。

日本の建築物や着物、独自の色づかい、和食や和菓子、本当に繊細で美しいものばかりだと思います。そんな日本文化の魅力をお伝えし、皆さんと一緒に楽しめたらなと思っています。

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